更年期症状と働き方|40〜50代社員を支える職場づくり

更年期症状と働き方|40〜50代社員を支える職場づくり

40〜50代は、管理職やチームの中心として活躍する社員が多い年代です。この時期の女性に起こりやすいのが更年期症状です。経済産業省の試算では、女性特有の健康課題による経済損失約3.4兆円のうち、更年期症状によるものが約1.9兆円と最も大きく、欠勤や離職、パフォーマンスの低下につながっていることが指摘されています。

この記事では、更年期症状の特徴と治療の選択肢、そして企業ができる配慮について、産業医の立場から解説します。

この記事のポイント

  • 更年期症状は体と心の両方に現れ、仕事への影響も大きくなりえます
  • 治療で改善することが多く、ほかの病気との見分けのためにも受診が大切です
  • 柔軟な働き方と相談しやすい環境が、ベテラン社員の離職防止につながります
目次

更年期とは

閉経の前後5年間、合わせて約10年間を更年期といいます。日本人の閉経の平均年齢は50歳前後のため、おおむね45〜55歳ごろが目安です。この時期は女性ホルモン(エストロゲン)が大きく変動しながら減少し、さまざまな症状が現れます。

更年期に現れる症状のうち、日常生活や仕事に支障が出る状態を更年期障害といいます。症状の強さには個人差が大きく、ほとんど気にならない人もいれば、仕事を続けるのが難しいと感じる人もいます。

仕事に影響しやすい主な症状

分類主な症状
血管運動神経の症状ほてり、のぼせ、急な発汗(ホットフラッシュ)、動悸
精神的な症状気分の落ち込み、イライラ、不安感、意欲の低下
睡眠・認知寝つけない、夜中に目が覚める、集中力や記憶力の低下
身体の症状肩こり、頭痛、関節痛、疲れやすさ、めまい

会議中に急に汗が出る、夜眠れずに日中の集中力が続かない、以前はできていた業務でミスが増える、といった形で仕事に影響することがあります。本人も「年齢のせい」「自分の努力不足」と考えて、原因に気づいていないことも少なくありません。

治療の選択肢と受診の大切さ

更年期症状には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、症状に応じた薬物療法、生活習慣の見直しなど、さまざまな治療の選択肢があります。婦人科で相談することで、症状が大きく改善することもあります。

また、甲状腺の病気やうつ病など、更年期症状と似た症状が出る病気もあります。「更年期だから」と自己判断せず、医療機関で相談することが大切です。気分の落ち込みが強い場合は、メンタルヘルスの視点からの評価も必要です。

男性にも更年期症状がある

男性でも、加齢にともなう男性ホルモン(テストステロン)の低下により、疲れやすさ、意欲の低下、気分の落ち込み、睡眠の問題などが現れることがあり、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれます。更年期は女性だけの問題ではなく、中高年社員全体の健康課題として考えることができます。

企業ができる職場での配慮

働き方の柔軟性

  • フレックスタイムや時差出勤(睡眠の質が悪い日や通院日に対応しやすくなる)
  • テレワークの活用
  • 時間単位の年次有給休暇や、通院のための休暇
  • 体調の波に合わせた業務量やスケジュールの調整

職場環境の工夫

  • 個人で調整しやすい空調、扇風機の使用の許可
  • 通気性のよい制服や、服装の選択肢
  • 休憩できるスペースの確保

評価とキャリアへの配慮

更年期症状がつらい時期は、一時的にパフォーマンスが下がることがあります。症状を理由に昇進を諦めたり、退職を選んだりすることがないよう、中長期的な視点で本人と話し合うことが大切です。症状は多くの場合、適切な治療や時間の経過とともに落ち着いていきます。

管理職が相談を受けたとき

「最近体調がすぐれない」と相談を受けた場合、管理職は症状の詳細や年齢に関することを聞く必要はありません。業務上どのような配慮があると働きやすいかを確認し、必要に応じて産業医や保健師への相談を勧めましょう。年齢や更年期に関する不用意な発言は、ハラスメントにつながるおそれがあるため注意が必要です。

健康診断や研修を入り口に

一般健康診断の問診に、更年期症状などの女性の健康に関する項目を加えることも国で検討されています(詳しくはこちら)。あわせて、全社員や管理職向けの研修で更年期の基礎知識を共有しておくと、本人も周囲も相談しやすい雰囲気が生まれます。

アステラ産業医事務所にご相談ください

アステラ産業医事務所では、更年期症状をはじめとする中高年社員の健康課題について、産業医の立場から企業の体制づくりと従業員への健康支援を行っています。女性の健康やプレコンセプションケアに関する研修、衛生委員会でのミニ講話、個別の産業医面談にも対応しています。

東京・新宿を拠点に、オンライン面談を活用して全国の企業様をサポートしています。英語での面談にも対応可能です。

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参考資料

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