産業医面談を案内しても、従業員から「受けたくない」と言われることがあります。まずは面談の目的と制度を確認し、本人が何を心配しているのかを聞きます。会社側の都合だけで説得を急ぐと、相談しづらさが強まる場合があります。この記事では、人事担当者が案内を見直すための実務上の確認点を整理します。
産業医面談の目的と根拠を確認する
任意の健康相談と、法令に基づく面接指導は扱いが同じではありません。長時間労働やストレスチェック後の面接も、対象要件や申出の扱いを個別に確認します。「会社が勧めた面談だから全員に義務がある」と一律に説明しないようにします。就業規則上の対応が必要な場合は、産業医と労務の専門家にも確認してください。
断る理由を決めつけずに聞く
本人は、評価への影響や上司への情報共有を心配しているかもしれません。勤務時間や場所が合わない場合もあります。「受けにくい点があれば教えてください」と聞き、答えを急がせないようにします。病名や家庭事情を詳しく話すことを、案内への回答条件にしないでください。
- 目的:健康相談なのか、就業上の配慮の検討なのか。
- 方法:対面・オンラインの可否と、勤務時間内の調整。
- 情報:誰に何を伝えるのか、結果の扱い。
- 連絡:本人から質問できる窓口と、次の連絡方法。
産業医面談の案内文を具体的にする
案内例:「業務上の負担や働き方について相談する機会として、産業医との面談をご案内します。目的と情報の扱いをご説明したうえで日程を調整します。受けにくい点やご質問があれば、担当窓口へお知らせください。」これは任意の相談を案内する文例です。法定の面接指導では、対象制度に応じた説明を加えてください。
面談を受けない間の対応も整理する
任意の相談を無理に強いることは避けます。一方で、職場で確認できた業務上の問題を放置する必要はありません。遅刻の回数や作業上の支障など、確認できた事実を整理します。管理職自身が専門職に対応を相談する方法もあります。病気を推測して断定したり、面談の辞退だけで人事評価を決めたりしないようにします。
記録は案内と対応の経過を中心にする
記録には、案内日、説明した目的、本人からの質問、調整した内容を残します。「協力的でない」といった人物評価は避けます。再案内する場合も、連絡回数を増やすこと自体を目的にせず、本人の事情と業務上の必要性を確認します。
面談の事前準備も併せてご確認ください。体制の見直しは産業医サービスでご相談いただけます。
参考情報
厚生労働省「こころの耳」ラインによるケア、厚生労働省 ストレスチェック制度。本文の案内文と記録項目は、運用を検討するための例です。
